野の花とともに』 家の光協会 1994年初版 B5版 93頁

本書は、いわゆる活け花の本です。著者の身の回りにある
草から木の花まで、四季にわたり、家で使うさまざまな器に行けて、置き場所も室内に限らず、外部の自然の中に於いて撮影しました。写真に短いキャプションを付け、季節の移り変わり、植物の命の謳歌を共に満喫する喜びを書きました。独創的なフラワー・アレンジに、講演の先々で驚かれました。

四季折々に、野原や道端で咲く愛らしい野の花を、家の内外に飾り暮らしを楽し む。著者の住む農家の、古いからこそ美しい室内や古道具に生けられた花ばなを、暖かみのあるカラー写真が、懐かしさをかもしだしている。写真に添えられた エッセイも楽しく、野にある小さな植物への愛情がにじみでている。フラワー・アレンジのヒントがいっぱい。

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『出会いた い野の花たち』 文化出版局 200年4月 初版 1680円B5
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48頁(内 カラー写真50点)写真・エドワード・レビンソン 文・鶴田 静
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本書は、四季の野で咲く花の生の姿を、写真家レビンソンが撮影したものです。 鶴田がその花によって与えられたインスピレーションから、著者の生活や人生のいろいろな場面と花の持ち味を溶け合わせたエッセイを 添えています。従来の図鑑的な分類の花の本ではないのですが、易しい生態の話や、花の咲き方データがついています。花の数は129種。 美しい花の写真を楽しみ、花の名前を知り、同時に生き方や暮らし方を、花に託して考えてみるのもまた、楽しくそして有意義なことではないでしょうか。本 は、マット紙を使った渋くナチュラルな手触り。


「クレヨンハウス」刊の雑誌「クーヨン」2000年6月号でご紹介下さいました。クレヨンハウス
 

ウィリアム・モリスの庭デザインされた自然への愛』ジル・ハミルトン他著 
鶴田静訳 東洋書林刊 
20025月初版
A5版 276ページ カラーモノクロ写真・図版126

 

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日本でも人気が高くなった「モリスプリント」で知られるモリスは、庭に関しても理想を抱いていた。植物へ の深い愛情は、その植物が生きる庭からひいては大地、自然環境の保護へとつながる。しかしモリスのそれは、常に美と結びついている。植物をデザイン化する ばかりでなく、インテリアはもちろん、建築、文学、社会活動まで、すべてを包括して大きな美の世界を作り上げるのだ。その中で、本書は特に、庭と植物に関 するモリスの理想と思想、そして実践を、これまであまり知られなかった講演や手紙や家族や友人の証言からまとめている。 それは「モリスの庭園の原則」として8カ条に渡っている。 本書を読むと、モリスのエコロジストとしての活動や考えが分かり、私たちも奮起に駆り立てられ る。デザインされた植物45種のカラー実物写真とそのデザインが対照して載せてある。学名、普通名、生態、栽培法が詳しく描かれている。一般のガーデニン グ、植物、デザイン、文学の愛好者にも、又、建築やインテリアを含めた専門家にも十分に役立つ。何よりも、今この時代に合致する提言に共感し、考えさせら れる。また、伝記としても充実している。
目次から
庭—まさしくその家屋敷を作るもの  モリスの庭園デザインの原則  モリスとそ の庭 初期の時代  レッド・ハウス ケルムスコット・マナー  ケルムスコット・ハウス マートン・アビー 導く人  ウィリアム・モリスの植物  巻末に年表 索引 参考書 訳者による各モリス関係の場所への案内もある。
書評・紹介から    東京新聞  6.23読書欄のページトップ 「モリスは英国の詩人・工芸家・社会運動家。産業の機械化に警鐘を鳴らし、伝統的な手仕事を復活させた。彼が考案した草花や鳥をあしらったデザインは数々 の室内装飾に用いられ、後生のデザインに大きな影響を与えた。生活の中に身近な自然を取り入れ、優雅だが素朴な「ビューティフル・ライフ」の草創者でもあ る。モリスの生活やデザイン運動を紹介し、作品に描かれた植物を詳述したのが本書。英国式庭園に咲く花々の香りが匂い立つ本だ。 写真は壁紙【デイ ジー】。
読売新聞 7.14  読書欄 「ウィリアム・モリス言えば、花柄に鳥をあしらった身近な自然をモチーフにした繊細かつ生命感あふれる多いと思う。  しかし、本書を読んで初めて知ったのだが、モリスは私人であり社会主義の闘士であり、古建築物保護協会の設立者の一人であり、庭園デザイナーでもあっ た。多才な人だったのだ。本書は庭園デザイナーとしてのモリスに焦点を当てて書かれた評伝である。  近代化が進む19世紀のイギリスで古き良き伝統に忠実に、建物と庭園を土着の自然に調和させようとした腐心したモリスの執念は、後年ナショナルトラスト として結実したと聞けば、最も保守的であることこそ最も斬新である、との箴言のひとつも吐きたくなる。モリスのデザインがふんだんに図示されていて見た目 にも楽しい。」評者・池田清彦(山梨大学教授)
『サライ』小学館  8月1号  『家庭画報』 『フローリスト』『LEE』『チルチンびと』 その他でご紹介


ソローヒル・ガーデンのエッセイが本になりました。
 文・鶴田静 写真・エドワード・レビンソン
   
『丘のてっぺんの庭花暦』淡交社 2009年4月初版
1995(税込) 96ページ B5判変  カラー写 28+モノクロ13+花図鑑40
本書は日本図書館協会の第2681回選定図書に選ばれました。
花樹を愛 する想いに溢れ、花樹の知識や文学・詩歌の情報も豊富で す。

目次より 「私の庭つくり」 「花巡る庭」 January「新年の幸を運ぶ」 ニホンスイセン ラッ パズイセン Feburary「老いても花」 ウメ  March「夢見つつ咲かせ」ハクモクレン  April「この地になじんで」クリスマスローズ ハナミ ズキ May「花の中の花」バラ ウツギ ノイバラ  June「ふるさとに久しく」ネムノキ ユリ  July「懐かしき母の花」タチアオイ アジサイ August「朱夏の彩り」ヒメヒオウギズイセン キョウ チクトウ September「たわわに、たわむれ」ハギ フヨウ October「香気と和風味と」キンモクセイ コスモス  キクイモ November「実は輝き花は喜々として」ムラサキシキ ブ サザンカ December「命濃し常なる緑」モミノキ ビワ 「ウイリアム・モリスの庭」から

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庭を持ち、好きな植物を育てたいという長年の夢がようやく叶いました。庭作りとは、自然に人が手を貸して、より整然とした美しい場所を作ることですが、その 点、私と夫が庭作りを始めてから年月は浅いので、私たちの庭にはもっと長い時間が必要です。が、生き続ける庭に終わりはありませんから、今この時が最良と 思うことにしています。大きな花壇があった生家と、草花の咲き乱れる野原の真ん中で育った私は、植物はその美しさと役割によって、人が生きるための源泉だと信じています。これからの世界で減らさずに増やすべきものと考えています。その願いを本書に込めました。読者の皆様に、植物の大切さと、育て愛でる喜びのご同感をいただければ幸いです。(あとがきより


「新刊出版記念写真展」+スライド・トークショー&サイン会
 淡交社「丘のてっぺんの庭 花暦」刊行記念
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読者のご感想
房総半島の農村に移り住んだ、写真家のエドさんと物書きの静さんご夫婦。荒地を開拓団さながらの重労働の日々を送って作り上げたのが美しい「ソローヒル・ガーデン」。四季折々の花々や木々の恵みに預かる生活は苦労の末の贈り物と感じる。美しい写真に見惚れ1月~12月の花にまつわるお話を興味深く読ませて頂いて改めて花のある生活の豊かさを感じた1冊である。 
skyさん・レビュー 2021.3.31 ありがとうございました。   


『庭の恵みを楽しむ料理』朝日新聞出版 2011年3月初版
  
A5判 無線綴じ 並製
文・料理/鶴田静 写真/エドワード・レビンソン
全160ページ(4色48ページ/1色112ページ)
 

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                  赤ピーマンのナス詰め

本書は、2010年に30回にわたり連載していた朝日ビジュアルシリーズ「週刊 野菜づくり花づくり」(朝日新聞出版刊)の巻頭エッセイの文章を改稿し、歳時記の二十四節気に沿って庭の様子を記録したものです。
それに添えて私の定番料理を紹介しました。エッセイと料理の両方を楽しめます。1年間の庭仕事や花樹の様子と料理をざっと見渡せます。
料理はカラーで48ページ、エッセイと庭のモノクロ写真100枚以上


muさんより Gold in the Hill.  現代美術家作家のつぶやくレヴュや製作にまつわる日々  徒然

3月11日以来、毎日庭に出るたびに、いろいろなことを考えました。
そして、沢山の知り合った人達の顔を思い出しました。
そんな人々の中でも、鶴田静さんのことを思い出しては、語りかける日々です。
そんな中、新刊が発売されました。
Solo Hill net.
でも紹介済みですが、雑誌に連載されていたエッセイに加筆されたものと、エドさんの沢山の写真が掲載されています。お料理はベスト・オブ・鶴田静、といった王道のベジタブル料理。
本の作りの印象は「母なる自然の食卓 大地のメッセージ」と似ていますが、2004年に出版されたエッセイと読み比べると、軽やかさを感じました。
新居へうつってからの歳月なのでしょうか、借り物でない庭を生み出し続けてきたという印象がありました。

悲しみが溢れるこの国で今、彼女の言葉ほど身にしみるものはありませんでした。
命への優しさに溢れた言葉に,勇気をもらいました。


読後に鶴田さんとかわしたメールで、鶴田さんは今,種まきや苗を植えるのに忙しくしていることを教えていただきました。
その前に、私はやや悲嘆めいたメールを送ってしまっていたので、どうも恥ずかしい気持ちでいたのですが、あの丘の上でトビー君やエドさんと一緒に、命を育む姿が目に浮かび、楽しい思いになりました。
私も早速畑に種を蒔き、苗を植えました。
そうするのが、いちばんいいのです。

チェルノブイリの事故のあと、お二人は放射能の後遺症に苦しむ子ども達のホストファミリーとなり、子ども達の健やかな回復のために尽くされたそうです。(著書「今,自然を生きる」)今までのお仕事を振り返る限り、今の鶴田さんの心境を偲ばずにはいられません。

自然とともに生きる鶴田さんの姿は、私にとって先生の後ろ姿のようなもの。
彼女達の作った道を、あとからとことこと、ついてゆきたいと思っています。

ソローヒルの小さな小道を、また歩きに行きたいです。

muさん、すてきなご感想をありがとうございました。鶴田 静



著者の後日談です。 
2011
年3月11日のお昼前、本書の見本が届きました。ピンクの桜の花を一面に散らしたご飯の表紙が、直ぐそこにある春の喜びを感じさせ、「ああ良かった! きれいな本になって」と喜んだその時、ぐらっと床が斜めになり、大地震が起きました。夫と愛犬と大きな机の下に潜り込みました。その後の大惨事に、新刊の本と共に涙にくれました。その後、気を取り直して、災害地支援のために、私たちの著書の印税を僅かながら寄附することにしました。(サイドバーの「災害寄付のデータ」を後参照下さい。)